中央線鉄道唱歌 第59番 上松をも過ぎゆき、風越山・駒ヶ岳に見送られながら、木曽路を南下

中央線鉄道唱歌の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
上松の地理・歴史などについて、やさしく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

はや上松うえまつさと過ぎぬ
むすびてかん風越かざこし
すそ尾花おばなでゝ
まねくはゆきこまたけ

さらに読みやすく!

はや上松うえまつの さと過ぎぬ
むすびてかん 風越かざこし
すそ尾花おばな でて
まねくはゆきの こまたけ

さあ、歌ってみよう!

♪はやあげまーつの さとすぎぬー
♪むすびてゆかんー かざごえのー
♪すそののおーばな ほにいでてー
♪まねくはゆきのー こまがたけー
(中央西線)
塩尻駅→洗馬駅→贄川駅→奈良井駅→藪原駅→宮ノ越駅→木曽福島駅→上松駅→須原駅→野尻駅→南木曽駅→坂下駅→中津川駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

木曽福島を出て、上松へ

木曽福島駅きそふくしまえきを出発し、

  • 御嶽山おんたけさん
  • 木曽の桟かけはし

などを横にしつつ木曽路を南下すると、やがて

  • 上松駅あげまつえき(長野県木曽郡上松町)

に到着します。

上松駅(長野県木曽郡上松町)

上松駅(長野県木曽郡上松町)

木材で栄えてきた、上松町

長野県木曽郡上松町あげまつちょうは、歴史的に木材で生計を立てていた町になります。

木曽地域では、「林業」など木材が盛んだったことは、ここまでも何度も説明してきた通りです。

赤沢森林鉄道

上松町にはその昔、「赤沢森林鉄道」という路線がありました。

森林鉄道とは?

森林鉄道とは、採れた木材を、列車(正確には、蒸気機関車によって引っ張られて走る「貨車」)に載せて、運ぶための仕組みです。

現代では木材はみな、トラックや自動車などで運ばれるのが一般的です。
しかし、自動車が一般的でなかった明治時代には、鉄道がメインだったのでした。
そのため、こうした森林鉄道が、主流だったというわけです。

1960年代に入って自動車が普及しだしてからは、森林鉄道は役目を終えて、相次いで廃止されてゆくことになったのでした。

江戸時代、武家屋敷などの建設に、木材は重要だった

また、森林鉄道・貨物列車すらも無かった時代(江戸時代以前)には、恐らく

木曽川の上を、舟で木材を載せて運んでいたのではないかと思われます。
いわゆる「水運」です。

ちなみに木曽川では、木材をいかだに載せて下流へと運ぶ「筏流いかだなが」という方法で、水運における重要な輸送ルートとして利用されていました。

舟で木材を運ぶときの、水に濡れるリスク

しかし、舟で木材を運ぶということは、それなりにリスクもあります
例えば、折角の木材が水に濡れてしまい、使い物にならなくなる、といった可能性もあるわけです。

水に濡れることによって、いわゆる含水率がんすいりつが高くなりすぎると、強度が低下したり、また腐朽ふきゅうなどといったリスクが高まる可能性があります。

江戸の武家屋敷や伊勢神宮にも使われてきた、木曽の木材

木曽の木材は、江戸の武家屋敷伊勢神宮にも使われてきました。

そのため、間違っても濡れる・汚れるなどは御法度ごはっとであり、こうした

  • 「木材の品質を保つための苦労」

も絶えなかったことでしょう

木曽八景・風越山

また上松には、風越山かざこしやま(標高1,535m)という山があります。
こちらはいわゆる、木曽八景きそはっけいの1つに数えられます。

前回も述べた「寝覚の床ねざめのとこ」も、「木曽八景」の一つです。

「木曽八景」とは

木曽八景には、以下の8つの景色が含まれています。

  • 徳音寺とくおんじ
  • 御嶽山おんたけさん
  • 木曽のかけはし
  • 寝覚の床ねざめのとこ
  • 風越山かざこしやま
  • 木曽駒ヶ岳
  • 小野の滝
  • 秋の与川よかわの月

中央線鉄道唱歌では、これら8つの風景がすべて歌われています。

木曽駒ヶ岳

ここで木曽駒ヶ岳きそこまがたけは、標高2,956mの、木曽山脈最高峰の山になります。

木曽山脈は、「中央アルプス」と呼ばれます。また、

  • 飛騨山脈北アルプス
  • 赤石山脈南アルプス

とともに、「日本アルプス」と呼ばれます。

これらの山脈では、標高3,000m級の山々が連なり、「日本の屋根」ともいえるような場所です。

伊那谷側の街・駒ヶ根市

ちなみに、諏訪湖すわこ近くの

  • 辰野駅たつのえき(長野県上伊那郡辰野町)

から飯田線いいだせんで南へゆくと、駒ヶ根市こまがねしという街があります。

※駒ヶ根市からの、南アルプス(長野県駒ヶ根市)

長野県駒ヶ根市ごまがねしは、伊那谷いなだににある、

  • 甲斐駒ヶ岳
  • 木曽駒ヶ岳

の、二つの「駒ヶ岳」に囲まれた街です。
2つの駒ヶ岳の麓にある街であることから、「駒ヶ根市」と名付けられました。

飯田線駒ヶ根市については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

飯田線の旅12(最終回)飯田→駒ヶ根→伊那→辰野 諏訪湖へ【観光・歴史】【わかりやすく解説】
飯田線の旅・観光・歴史について、わかりやすく解説しています!鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説してゆきます!

上松駅を出て、「寝覚めの床」が右側に

上松駅を過ぎると、窓の右下に、前回も紹介した景勝地である

  • 寝覚の床ねざめのとこ

が登場しますので、必ず右側の窓をチェックしましょう。

寝覚の床(長野県)

寝覚の床(長野県)

※「上松駅」→「寝覚の床」の順番に注意

鉄道唱歌の歌詞を覚えていると、「寝覚の床」→「上松駅」の順番と勘違いしそうになります。
しかし、実際には上松駅のやや南に「寝覚の床」がある形になります。
間違わないように、注意しましょう。

特急「しなの」では、「寝覚の床」の手前でアナウンスがあり、わざと列車のスピードを落として見やすくしてくれる場合もあるそうです。

次回は、須原・野尻へ

次は、

  • 須原すはら
  • 野尻のじり

に止まります!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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